不二家(2211)の2021年3Q決算は経常利益3.2倍!洋菓子、製菓ともに好調で通期も上振れ期待
好調持続
不二家は2021年10月25日に、今期3Q連結決算を発表しました。
1-9月期は+6%増収、経常利益は3.2倍と順調に進捗していますが、通期予想は据え置いています。
1-9月期実績と通期予想から逆算した10‐12月期予想は、前年同期比+0.8%増収、+12.5%営業増益、▲11.6%経常減益となります。
ここで論点となりそうなのは、10‐12月期会社計画において売り上げの伸びが+0.8%と鈍化していることから①年末にかけての売上想定はどうなのか、経常利益段階で減益となっている要因として考えられる②サーティワンアイスクリーム(2268)の持ち分法投資利益の影響、の2点でしょうか。
年末にかけての売上想定は?
同社の売上は12月を含む10‐12月期の比重が重くなっていることと、依然としてコロナ禍の状況が予測しがたいことから通期予想を据え置いていると考えられます。ただし、足元の動向を見ると洋菓子、製菓ともに好調であることに加え、洋菓子部門では11月に創業111周年キャンペーンを予定していることと、コロナ情勢が落ち着いた状況でクリスマス商戦を迎えられること、製菓部門では大ヒット商品に成長した「カントリーマアム チョコまみれ」の生産体制を強化していることから、10‐12月期の急減速は想定しにくいと考えます。
サーティワンアイスクリーム(2268)の持ち分法投資利益
不二家の1‐9月期経常利益は29憶円、営業外収入は10憶円、うち持ち分法による投資利益が4.65億円となっており、43.2%出資するサーティワンアイスクリーム(2268)の持ち分法投資利益の影響が大きいと考えられます。サーティワンは、1-9月期の経常利益が前年同期比2.1倍の13億円に急拡大しており、通期計画の10.3億円に対する進捗率が126.6%と計画を超過していますが、依然としてコロナ禍の状況が予測しがたいことに加え、サーティワンは9月に通期業績の上方修正をすでに実施していることもあり、現時点では通期予想を据え置いています。よって、通期予想から10‐12月期の経常利益想定を逆算すると3億円弱の赤字を想定している計算になってしまいます。
不二家の通期予想で経常減益としている要因の1つとして、上記のようなサーティワンの10‐12月期計画を取り込んでいることが挙げられます。いずれ上方修正される可能性が高いと思われますが、不二家の連結決算上もサーティワンの足元の好調さは3Qまでの実績には反映されているものの、通期の業績予想には織り込めていない状況であるといえます。この分はサーティワンの上方修正待ちとなるでしょう。
今後の注目ポイント
- 洋菓子部門の収益改善
- 製菓部門の持続的成長
- 持ち分法適用のサーティワンの上方修正
- 長期的な中国事業の拡大
2021年12月通期決算は年明け2月に発表されます。年末にかけて上記のポイントに問題がなければ、通期業績の上振れが期待できるため、あらためて注目していきたいと思います。