村田製作所(6981)は通期計画を据え置き ~上期好調も半導体不足など生産要因が足かせ。サプライチェーンの問題解消は2022年以降に
村田製作所は2021年10月29日に上期決算を発表、売上は前年同期比+20.8%増、営業利益は同+68.9%増と好調でしたが、通期の営業利益計画は前期比+17%増の3650億円に据え置きました。同社では半導体不足などの生産要因から9月の受注は減少しており、上期堅調であったメーカーの生産に向けた在庫積み増しの動きも一服することから下期の業績については慎重な見方をしているようです。中島規巨社長は決算会見で、サプライチェーンの問題でスマートフォンや自動車関連の受注が落ちていると述べ、正常化は2022年以降になるとの見方を示しました。
受注減の原因はサプライチェーンからくる生産要因で、実需が落ちているようには見えていない
サプライチェーンの問題は早期に解決しない、22年以降にずれるのではないか
積層セラミックコンデンサ―(MLCC)の稼働率は95%水準を継続予定-石谷昌弘常務執行役員
今期(2022年3月期)の営業利益計画は前期比17%増の3650億円に据え置いた
2021年10月29日 Bloomberg
村田製作所は、積層セラミックコンデンサ(MLCC)で世界トップ企業であり、主要な需要先は、スマートフォン、タブレット、PC、デジタル家電、自動車などとなっています。コンデンサは電気で動くものには大体必要となることから、社会全体のデジタル化の進展、5G拡大から6Gへの移行、自動車の電動化・ハイテク化などにより長期的に大きな需要増加が見込めるため、村田製作所は長期のビューが描きやすい銘柄であることは変わりません。サプライチェーン問題による業績の足踏みは短期的に止まると考えています。