【PO】クリエイト・レストランツ・ホールディングス(3387) ~今期は復配を実現、株価は希薄化を織り込んで割安な水準まで下落

2021年10月28日、東証1部上場のクリエイト・レストランツ・ホールディングス (3387)が公募増資を発表しました。

2,170万株の公募増資及び最大325万株のオーバーアロットメントによる売出しに伴う第三者割当増資を予定しています。

発行株式数は1億8,944万株→最大2億1,439万株に増加するため、既存株主にとっては持ち分の約12%の希薄化となります。

同社は、今回の増資で約200億円を調達し、50億円はアフターコロナを見据えたポートフォリオの見直しのための国内外の新規出店、業態変更、改装等の店舗設備投資及び生産性の向 上・人財不足への対応のための DX 推進資金に、残額は2021年2月に借入れた永久劣後特約付きローン(150億円、アレンジャーはみずほ銀行)を含む長期借入金の返済に充当する予定となっています。

みずほ証券と大和証券が共同主幹事で、条件決定は11月8日~10日(最短で11月8日)を予定しています。

立地特性・顧客属性に合わせた様々な業態の店舗を企画・開発

同社の特徴は、立地特性・顧客属性に合わせて、カジュアルなフードコートから、居酒屋、ディナータイプのレストランまで様々な業態の店舗を企画・開発している点にあり、直営にて全国に展開しています。有名なところでは、東京ディズニーリゾートの商業施設イクスピアリの直営レストラン部門を買収していたり、アミューズメントレストラン「レインフォレストカフェ」なども同社が運営しています。また、地方チェーンの買収も進めており、群馬県では誰もが知っている「いっちょう」も同社グループです。

レストラン事業

代表的なブランドとしては、本格高級寿司をお好きなだけお楽しみいただける高級寿司食べ放題の「雛鮨」、安心・安全な牛肉や豚肉、旬の新鮮野菜が食べ放題の「しゃぶ菜」、健康志向のニーズを取り込んだ自然食バイキングの「はーべすと」、香港スタイルのワゴンサービスで本格点心をご提供する飲茶バイキングの「香港蒸蘢」、素材にこだわった本格イタリアンの「TANTO TANTO」、全国各地の契約農家から毎日届くこだわり野菜を提供する「やさい家めい」、接待や会食にもお使いいただけるしゃぶしゃぶ・日本料理の「吉座」、日常のお食事からお祝い事やご法事など様々な食のシーンにお使いいただける和食レストラン「かごの屋」等がございます。

出典:会社HP 事業紹介 レストラン事業

会社HPを見ましたが、レストラン事業は本当に様々な業態を展開しています。ただ、「代表的なブランド」の中に知っている名前は1つもありませんでした(私が知らないだけかもしれませんが)。

居酒屋事業

63%出資する連結子会社のSFPホールディングス(3198)が運営する「磯丸水産」「鳥良」など

ラーメン・フードコート事業

「つけめんTETSU」、御殿場プレミアムアウトレットモール内「フードバザー御殿場」、東京メトロ表参道駅にあるエチカ表参道内「マルシェ・ドゥ・メトロ」など。

受託運営(コントラクトサービス)事業

レストランや居酒屋、フードコートなどで培ってきた経験やノウハウを活用し、全国各地のゴルフ場内のレストランや、市民会館、野球場や水族館、美術館内でのレストラン等を運営。

資金調達により変化への対応を加速できるか

アフターコロナにおける外食産業は、コロナ禍以前の世界とは同じになりそうにありません。退場するプレーヤーも多く、変化への対応力が問われると思います。そんな状況下において、同社の① 立地特性・顧客属性に合わせた様々な業態の店舗を企画・開発力、②居酒屋業態以外は既に回復傾向にある点、③資金調達により事業ポートフォリオの最適化・DX推進が可能となる点などは評価できるポイントだと考えます。

今期は復配を実現、株価は希薄化を織り込んで割安な水準まで下落

同社は、2021年10月14日に通期計画の営業利益を+96.4%上方修正し、この8月中間期に1.5円復配を決定、2022年2月期にも3円、年4.5円の配当予想を発表しています。足元の売り上げ動向は回復が遅れているものの、コスト構造の転換が完了・定着していることに加え、想定以上の協力金・雇用調整助成金の下支えがあったとが寄与しているとのことです。

上場以来の業容拡大を受けて上昇基調にあった株価は2020年1月には1100円台で推移していましたが、コロナ禍の影響を受け500円台まで急落、その後アフターコロナでの国内での回復期待等もあり公募増資発表直前の2021年10月28日終値は860円でした。増資発表後は株式持ち分の希薄化を織り込んで株価は下落、11月4日終値は746円となっています。増資発表直前からの下落率は▲13%に達し、増資による約12%の希薄化をすでに織り込んでいます。POでは3~5%ディスカウントが加わるので、公募価格は割安な水準で決定しそうです。

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