【銘柄メモ】リバーエレテック(6666) ~5G向け需要などが好調。水晶デバイスの1本足打法でホームラン!

上期経常利益は2.6倍に拡大

2021年11月12日、リバーエレテックは上期決算を発表、上期売上34.7億円(前年同期比+36.3%増)、経常利益5.7億円(同2.6倍)と急拡大、通期計画は売上70.8億円(前年比+29.8%増)、経常利益10.3億円(同+94.7%増)としています。通期計画に対する経常利益の進捗率は55.2%と好調ですが、2021年10月18日には既に上期(経常利益3.6→5.7憶円)・通期(同7.7→10.3億円)の計画を上方修正しており、上期決算時には修正後の計画を据え置いています。

水晶デバイスとは?

水晶振動子・水晶発振器などの水晶デバイスは、人工水晶を加工した電子部品で、水晶の圧電現象(結晶に機械的な圧力をかけると電気が発生する)と逆圧電現象(結晶に電気をかけると振動する)を利用したものです。

このような現象を利用した水晶デバイスは、規則正しく振動する電気信号(クロック信号)を得ることができるため、正確な時間の基準や安定した周波数が要求されるスマートフォンや自動車、医療機器などのエレクトロニクス製品等に使用されています。

電子機器を正常に動かし続けるためには欠かせないクロック信号を得るためのデバイスは、水晶デバイスの水晶振動子のほかにも、セラミック振動子、MEMS振動子などがありますが、より高い精度と安定性を持つ水晶デバイスは、信頼性の要求される製品に多く採用されているようです。

村田製作所(6981)のような電子部品大手メーカーは、水晶、セラミック、MEMSなどフルラインで供給していますが、リバーエレテックは水晶デバイス専業です。水晶デバイスのメインプレイヤーは、大手メーカーではエプソン(6724)、専業では日本電波工業(6779)、大真空(6962)などがあります。水晶デバイスにおいては、かつては日本企業が世界シェアの6割以上を占めていましたが、近年では台湾などアジア勢の攻勢を受け、日本勢のシェアは5割を切ってきています。加えてMEMSなどの代替製品が台頭し、ミドルからローエンドの水晶デバイスは価格低下とシェアの低下のダブルパンチとなり、専業メーカーの業績は2019年度には軒並み赤字決算となりました。

水晶デバイス専業で高性能・超小型のハイエンド製品に強み

リバーエレテックには2004年のIPO時に取材させていただいことがあります。当時から技術志向の会社で、世界最小の水晶振動子を開発し量産できる体制にあることなどをご説明いただきましたが、当時はハイエンド品にはあまり需要がないとのことでした。当初は技術力を背景にニッチ市場で高収益をあげる小型株といったイメージを持っていたのですが、実際は競争は激しく、技術力はあるもののそれに見合った付加価値を取れてない印象を持ちました。当時はケータイは国内ガラケー、海外はブラックベリー、通信は3Gといった時代でしたので、需要が同社の技術力に追いついていなかったのかもしれません。その後、良い局面もありましたが需要動向の波によって業績は上下し、競争の激化による単価下落から苦しい局面が続きました。

直近の状況を見ると、業績は2019年3月期を底に急激に改善しています。今上期は、5G普及を背景にIoT関連の無線モジュール向けが大幅に伸長し、医療やVR機器等の受注も好調に推移、スマートフォン向けは半導体不足の影響を受けて前年を下回ったものの需給ひっ迫の状況は続いているとのことで、水晶デバイス専業でハイエンドに強い同社のストライクゾーンに絶好球が来たという状況です。甘い球が来ればホームランが打てる体制を構築していたとも言ってもいいでしょうか。

世界的に普及が進む5G関連や、巨大電子機器と化している自動車向け、高い信頼性が要求されるADASや医療関連などからの需要拡大は継続するとみられ、同社は2021年7月にも設備の増強に着手していることから、2023年3月期くらいまでの業績拡大は見えているのではないかと思います。ただ、水晶デバイスのマーケットのみに依存する同社の業績は限界企業的でもあり、競合も厳しいため悪くなる時はとことん悪くなることが想定されますので、あまり長期投資向きではないともいえるでしょう。

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