すかいらーく(3197)~復配&営業利益上方修正!コロナ禍を機に体質改善進む。デリバリー・テイクアウトは拡大継続

復配&営業利益上方修正

2021年11月12日、すかいらーくホールディングスは3Q決算を発表、同時に通期計画を修正しました。

3Q業績は、累計売上高1896億円(前年同期比▲11.2%減)、営業利益74億円(黒字転換、うち時短協力金233億円)、通期計画においては売上を2850億円→2600億円へ下方修正する一方、営業利益を50億円→210億円に上方修正するとともに、未定としていた期末配当金を14円と復配する方針を示しています。

9月30日までの緊急事態宣言、10月24日まで続いた1都3県での時短営業の影響から売上動向は回復が遅れているものの、この間に着々と業態転換やコスト構造の改善を進めており、時短協力金233億円を得て業績は大きく改善しています。3Qまでにコスト削減で54億円、粗利率改善で25億円の成果が出ていることから損益分岐点の引き下げに成功していることが確認できます。また、11月以降は日常への回帰が緩やかであるにせよ進んでいくことが想定されること、デリバリーとテイクアウトが急成長するなどニューノーマルへの対応も進んでいること等から、実際の業績も回復方向に向かうと考えられます。

※決算開示資料を基に当サイトにて作成

デリバリー・テイクアウトは拡大継続

特に、デリバリーとテイクアウトの急成長には特筆すべきものがあります。

全体の3Q累計売上は1896億円、同期間のデリバリー売上は311億円、テイクアウト売上は161億円となっているので合計すると472億円となり、3Q累計実績で既に全体売上の約25%を稼ぎ出していることになります。

前年同期比の伸び率でみても、デリバリーが+28.7%増、テイクアウトが+23.6%増となっており、急拡大が継続していることが確認できます。

※決算開示資料を基に当サイトにて作成

長期的な成長を計画的に進められるプレイヤー

同社は、コロナ禍が収束したとしても消費者のライフスタイルは元には戻らないことを想定して事業の再構築を図っており、デリバリーとテイクアウトでは一定の成果が出てきているといっていいでしょう。さらに、会社側はデリバリーについては急拡大の中でも競争が激化し、厳しい状況になっていくことを認めており、同時進行で外食事業の徹底した効率化(具体的にはデジタルメニューの導入や、2022年度には配膳ロボットの導入を本格化させる計画など)に取り組んでいます。

外食関連業界においては、急激に変化する環境に対応して長期的な成長を計画的に進められるプレイヤーは限定されると考えており、キープレイヤーとなりうる同社の動向には引き続き注目していきたいと思います。

関連記事

すかいらーく(3197)に新しい仲間が登場! ~導入する猫型ロボットは中国PUDU社のBellaBot

配膳ロボットを2022年末までに2,000店に導入 すかいらーくは、現在一部の店舗で導入している配膳ロボットを2022年末までに2,000店に導入すると発表しました。 2022年4月ま…

すかいらーく(3197)~コロナ禍をデリバリー・テイクアウトで乗り切る。アフターコロナで羽ばたけるか?

コロナ禍の影響 外食業界はご存じの通り、コロナ禍で最もダメージを受けた業界の1つと考えていいでしょう。 ダメージの大きい順では、居酒屋系>レストラン系>牛丼系・…

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です