【ファンド研究】M・Sグローバル・プレミアム株式(H無) ~インデックスファンドより低リスクでインデックス並みのリターンを実現

前回の投稿で「過去の実績や成功体験を引きずったポートフォリオ構成は見直しておくべき」と申し上げましたが、方向性としては全体としてのリスクを抑制して下落リスクを抑えつつ長期的な成長は狙い続ける、といったスタンスでいいと思います。具体策の1つとして投資信託を取り上げたいと思います。

M・Sグローバル・プレミアム株式

今回取り上げるのは、アクティブ運用でありながらインデックスファンドより低リスクでインデックス並みのリターンを実現しているファンド、三菱UFJ国際投信の「M・Sグローバル・プレミアム株式(H無)です。日経掲載名は「プレミア株無」、正式名称は「モルガン・スタンレー グローバル・プレミアム株式オープン(為替ヘッジなし)」となっています。

プレミアム企業に投資

当ファンドは「プレミアム企業」に投資することで高い成果が得られるとしています。

では「プレミアム企業」とはどんなものでしょうか。

目論見書より抜粋

簡単にまとめると、”設備に頼らず高収益”かつ”高収益が持続できる”企業ということですね。

どうしてそんなことが可能なのかというと、「高いブランド力、有力な特許、強固な販売網など、競争優位の無形資産」が裏付けになっているとのことです。

ポイントとしては、開発中の技術が実用化されれば5年後10年後に凄いことになるとかではなく、現在すでに比較優位を確立して高収益をあげており、かつそれが長期的に持続可能な企業に投資するという点であり、安定的な運用ができそうな印象が持てます。

当ファンドは2012年2月の運用開始ですが、運用者のモルガンスタンレーでは同様の運用戦略を「グローバル・フランチャイズ戦略」として1996年から運用しており、歴史のある戦略といえるでしょう。であればファンド名も「グローバル・フランチャイズ・ファンド」にすればいいようなものですが、欧米では無形のブランドや特許、販売網などの価値を意味する「フランチャイズ」という言葉が、日本ではコンビニのFCみたいな狭い意味でつかわれることが多いので、「プレミアム」と置き換えたと考えられます。洋画を日本に持ってくるときに邦題を付けるのと同じように販売戦略上は必要なのでしょう。運用方針や特色に誤解や誤認を与えるものではない(このファンドの場合「フランチャイズ」のままにしたほうが誤解されやすい)ので妥当なのかなあと思います。

組み入れ銘柄の状況

組み入れ1位のマイクロソフトはともかく、2位のフィリップモリス、3位のレキットベンキーザーなどは「そうくるか」といった感じの銘柄ですね。

業種別でも、1位の情報技術30%に続いて、2位の生活必需品28.3%、3位ヘルスケア22.6%までで80%を超えています。キャッシュフロー重視のプレミアム企業を並べるとこうなるんですね。一見するとこれではインデックスに勝てなそうなイメージなんですが、全然負けてないところがすごい、というかコスト込みで負けていないので、ポートフォリオとしてはむしろ勝ち続けているということです。着実に企業価値が増大していく企業を選べているのと、やはり相場下落時への耐性があってリスクを抑え込めていることが有効なんだと思います。

月次レポートによれば、2022年1月31日現在の組み入れ状況は以下の通りです。

銘柄

1 マイクロソフト 情報技術 8.8%
2 フィリップ・モリス 生活必需品 8.6%
3 レキットベンキーザー 生活必需品 6.3%
4 ビザ 情報技術 5.6%
5 プロクター・アンド・ギャンブル 生活必需品 4.6%

業種

1 情報技術 30.00%
2 生活必需品 28.30%
3 ヘルスケア 22.60%

リスク・リターンの状況(インデックスファンドとの比較)

インデックスファンドとの比較には、「eMAXIS 先進国株式インデックス」を用います。

信託報酬が当ファンド1.98%に対してインデックスファンドは0.66%となっていますが、コスト込みのトータルリターンで比較すると1年で25.09%対25.34%、3年で17.87%対18.62%、5年で13.78%対13.27%とほぼ互角になっています。

リスク水準を比較すると、標準偏差1年ではほぼ同水準ですが、3年では13.92対18.11、5年で13.08対16.46となり、当ファンドは大きくリスクを抑制できています。このあたりにはプレミアム企業への投資戦略に有効性が表れている模様です。

短期で値幅を取るなら別ですが、長期の資産運用においては保有している間の価格変動は少ないほうが良いと思いますし、大きく下振れしたりすると投資を打ち切ってしまい、長期のリターンを得られないといった機会損失の発生も無視できません。

また、低コストをうたうインデックスファンドが注目されていますが、コスト込みリターンでもインデックスに劣らず、パッシブ運用よりもリスクを抑えることができる当ファンドのようなアクティブ運用は、インデックスファンドからの置き換えも見込める有効な投資手段だと考えています。

ファンド名M・Sグローバル・プレミアム株式(H無)eMAXIS 先進国株式インデックス
信託報酬等(税込)1.98%0.66%
トータルリターン1年25.09%25.34%
トータルリターン3年(年率)17.87%18.62%
トータルリターン5年(年率)13.78%13.27%
シャープレシオ1年1.811.86
シャープレシオ3年1.281.03
シャープレシオ5年1.050.81
標準偏差1年13.8413.62
標準偏差3年13.9218.11
標準偏差5年13.0816.46
2022年01月31日 現在

当サイトでは、「M・Sグローバル・プレミアム株式(H無)」をリスト銘柄としてウォッチリストに加えてフォローしていきたいと思います。

次回は、「netWIN GSテクノロジー株式ファンド」を取り上げる予定です!

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