【銘柄メモ】日本フイルコン(5942)~上方修正!11月決算の老舗企業。バリバリのバリュー株だがテーマ性も

2021年11月期通期業績を上方修正

直近の決算発表を見返していたら、 製紙用の抄紙網で国内トップの日本フイルコンに目が留まりました。同社は、10月6日に3Q決算を発表しており、11.4%増収、営業利益は約4倍と好調であったほか、同時に2021年11月期の通期業績予想の修正を発表、売上+1.2%、営業利益+46.2%、経常利益+36.8%、純利益+63.6%と特に利益水準について大幅に上方修正しました。要因として、主力の製紙向け以外の「その他産業用フィルター・コンベア分野」が好調であったことと、経費削減の効果を挙げています。期末配当は6円予想で年間で計12円、予想配当利回りは2.2%で好業績かつ割安銘柄であることから、11月権利取りを狙っても良い銘柄だと考えて取り上げることにしました。

株価は400~600円のレンジ。イベント期待があれば動きは軽い

株価推移を確認すると、過去10年は概ね400円~600円のレンジで推移しましたが、2017年9月から10月にかけて1000円台まで急騰しています。2017年10月といえば衆議院議員総選挙があり、自民党公約の国土強靭化計画の中の「シェルター関連」として同社子会社のアクアプロダクトが手掛ける高比重コンクリート、プール用ろ過装置や水処理技術が注目を集めました。この時の物色は一過性でしたが、好業績で割安な同社株は何かのきっかけがあれば動きやすいといえるでしょう。

で、そもそもどんな会社?

土地含み益100憶円超、半導体・通信関連などテーマ性もあり

日本フィルコンは製紙用の抄紙網のトップメーカーで、創業100年超の老舗企業であり、バリバリのバリュー株です。現在は東証1部上場ですが、2022年4月からはスタンダード市場となる予定です。

1株当たり純資産が912円に対して株価541円(10/15)は大幅に割安であるほか、賃貸用不動産の貸借対照表上の前期計上額は約30億円、対して前期末時価評価額は約132憶円で100憶円もの含み益(さすが老舗企業!)があり、株式時価総額が120億円の会社としては巨額と言えます。

主要な事業としては製紙向け以外にも、その他産業用コンベア、半導体・通信デバイス・ディスプレイ向けのフォトマスク、環境・水処理関連、保有不動産を活用した不動産賃貸などを手掛けています。製紙向けは大きな成長が見込めそうにないものの、半導体・通信向けフォトマスク、環境・水処理関連などの分野は成長イメージも高くテーマ性もあることから注目できると思います。

株主優待はクオカードとワイン

決算期は11月、配当利回りは2.2%、株主優待は1年以上の保有が条件となりますが、100株以上でクオカード500円、200株以上でワイン1本(2000円相当?)、1000株以上ワイン(限定品)1本となっています。優待込み利回りは、100株で3.1%、200株で4.5%とそこそこの水準であり、ワイン好きな方であれば1000株の限定ワインも気になるところですね。ちなみに、ワインは100%子会社のフィルコンサービスが輸入販売しており、過去には米ワシントン州コロンビア・ヴァレーのSTONECAPが贈呈されているようです。

指標

  • 株価 541円(10/15)
  • 実績BPS 912.35円(2020年11月期)
  • 実績PBR 0.55
  • 予想EPS 42.13円
  • 予想PER 13倍
  • 予想配当 12円
  • 予想配当利回り 2.2%
  • 優待込み利回り 3.1%(100株) 4.5%(200株)

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