クアルコム(Qualcomm:QCOM)~6G関連の中核銘柄として更なる水準訂正を期待

ムーンショット”の記事が前振りとなっていますが、6G関連の技術力を背景に長期的な成長を期待できる銘柄として、クアルコム(Qualcomm:QCOM)をリスト銘柄に加えて注目したいと思います。

Snapdragon で有名なファブレス半導体メーカー

クアルコムは米サンディエゴに本社を置くファブレス半導体メーカーです。

同社は、スマートフォン向けのチップセットが主力で、アンドロイド端末の心臓部ともいえる”スナップドラゴン(Snapdragon)”はクアルコム製です。 スマートフォン のスペック表などで見たことがある方も多いかと思います。チップでは競合するアップルやファーウェイからもライセンス収入を得ています。

現在は、4G、5G向けの スマートフォン 向けが主力であり、端末の普及拡大と買い替え需要により成長が続いていますが、当然に端境期には業績が低迷するリスクも抱えています。ですので、クアルコムも他分野への拡大を意識しており、2016年には自動車向け半導体で世界トップのNXPセミコンダクターズを買収しようとしたことがあります(2018年に断念)。

時は流れ、5Gから6Gへ向けと技術競争の舞台は移っています。5G以降の通信速度になると機器同士の近距離通信とリアルタイム処理が可能となって来ており、わざわざ自動車向け半導体の会社の買収に打って出なくても、巨大な電子機器と化した自動車側が5G-6G通信を必要としているといえるでしょう。世界各国、各企業が現在の情報通信市場の延長線上にないものまで含めた”ムーンショット型”の研究を進めていることも追い風となりそうな状況ですね。

これまでの同社は ”スマートフォン向け半導体の会社” といえますが、10年後には6G通信ネットワークで結ばれた ”あらゆる機器に搭載される半導体の会社” となっている可能性が高いと考えられます。

足元の業績動向

7月28日に発表された3Q決算(4-6月期)では、1株利益1.92ドルと市場予想平均の1.69ドルを上回りました。同時に発表された4Q(7-9月期)の見通しについては、1株利益2.15~2.35ドル、売上高84億~92億ドルとの強気な見通しを示しています。

最新ニュース

9月23日、米国訪問中のインドのモディ首相はクアルコムのアモンCEOと5Gやデジタルトランスフォーメーションにおける協力等について会談しました。モディ首相は訪米中、他にもアドビ、ファーストソ,ーラー、ジェネラル・アトミックス、ブラックストーンなどのCEOと会談しています。

世界各地域でモバイルインフラの5Gへの置き換えが進んでおり、スマートフォン向け半導体が主力のクアルコムにとって、市場規模の大きいインドのモバイルインフラは重要ターゲットといえるでしょう。

株価は更なる水準訂正の可能性も

クアルコムの株価は9月23日時点で133.91ドル、時価総額は約1500億ドルでS&P500社中51位です。

1位のアップルの時価総額が約2.4兆ドルで、仮にクアルコムの時価総額が倍になると3000億ドルで17位のディズニー、18位のアドビなどと並ぶ水準になります。

株価推移をみると、ここ1年ほどで評価は進みつつあります。ただ、それでもPER20倍、配当利回り2%の銘柄ですので、増益増配基調の成長期待銘柄としてはそれほど割高感が出てくる水準ではありません。これまでは単なる携帯端末向け半導体メーカーであった同社が、6G時代には通信ネットワークで結ばれたあらゆる機器に搭載される半導体メーカーとなるわけですから、その長期的な成長を織り込む展開となれば更なる水準訂正の可能性はあると考えています。

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